研究概要
作物残渣などの有機物や単糖を混和した土壌で生じるRhizocronia solaniによる苗立枯病の抑止作用を研究しており、その抑止作用は右の写真のように極めて顕著で、有機物を土壌に還元することから、資源循環型の有機病害防除法である。また、多潅水によって泥のようになった土壌で作物を栽培する「浸水栽培」についても研究しており、この栽培法が多収を生み出す連理や、土壌病害が抑止されるメカニズムを解明するほか、連作障害が生じないコマツナの有機連作栽培法の開発を、民間企業と共同で進めている。
教育・研究活動の紹介
教育については、自身の研究分野である「農業微生物学(必須)」のほか「土壌環境微生物学」と「植物病原菌学」を担当している。この他にも、ハワイ大学に在学した時の経験を活かして「熱帯農学」と「21世紀を支える熱帯植物」も担当して、海外の事情を学生に紹介している。これらに加え、キャリア教育科目として「実践して学ぶミニ農業生産」を開講しており、この演習では学生各自が作物を作付けから収穫まで管理して収穫することで、農業の「魅力」と「恵み」を体験する。またこの演習は農学部以外の学生も履修するが、学生が農業を少しでも理解し、農業を将来の進路の選択肢の一部となることも、この演習の目的である。
今後の展望
有機物を更に有効に活用した栽培法や病害防除法の開発に着手する。
社会貢献等
(株)プレマ(群馬県前橋市)との共同研究を展開中