研究概要
【日本の文脈における英語教育実践研究】
新学習指導要領施行に基づき、多様な学習者の「生きる力」を育む外国語教育の実現が求められています。その中で、第二言語習得研究、社会文化理論、児童心理学などの理論や科学的実証にもとづく言語教授法・指導法を、日本の英語教育の実践にどのようにいかすかについて研究しています。現在は、SDGsにつながる真正性ある内容と言語教育を統合し、学習者の認知的発達に見合う言語活動、協同学習、相互文化理解を取り入れた授業実現を目指し、内容言語統合型学習(CLIL=Content and Language Integrated Learning) の日本の文脈における効果的活用について研究しています。
【英語教育におけるインクルーシブ教育実現のためのユニバーサルデザインの学びによる研究】
すべての児童・学生には、それぞれの持つ素晴らしい可能性と能力があります。それを引き出し、学習者の主体的・自律的学びを促すためには、カリキュラムが学習者の多様性を考慮して責任を担うという視点が必要となってきます。海外で実践されている事例から、日本の文脈との実践的比較研究を行い、日本の英語教育におけるユニバーサルデザインの学びの実践的研究を行っています。
教育・研究活動の紹介
上記に示した授業・教育デザイン研究を行うために、新しい教育方法の可能性と課題を探究する際に有用とされる言語指導法研究をもとに、縦断的、かつ横断的研究を行っています。具体的には➀電子機器を使用した授業録画と対話の録音の分析、研究者のフィールドノートなどによる授業観察、➁児童の授業に関する質問紙調査、③実践指導者へのインタビューを行い、研究者、学習者、教師の多角的観点から、教育法の効果、その課題について検証しています。 これらの研究から、英語教育における学習者の興味と認知的発達に見合った内容での豊かな言語活動、協同学習、文化・国際理解を統合した授業実現のために、実践可能な教育的示唆を明らかにすることを目指しています。
今後の展望
現在、上記の実践研究を、各学校や自治体の特色をいかした英語教育の発展を目指して、小中高の現職の先生方、教員を目指す学生とともに行っています。ご興味ある方には、ぜひご参加いただければと思います。
社会貢献等
日本国内だけでなく海外からも先生を招聘し、多角的視野を養うことも大切にしています。大学を身近に感じて頂き、外国語教育を通し多様性をいかす相互文化理解にも貢献できるよう取り組んで参ります。