研究概要
日本の近現代演劇の研究をしています。現代演劇の始めとされる1960年代アングラ演劇から現代までの演劇を対象に、社会的文化的背景の中どのように演劇表現が変化していったのか、文字表現だけでなく身体をはじめとした視覚・聴覚表現といった演劇ならではの表現に着目して研究しています。特にジャンル横断的に活動したアバンギャルド芸術家である寺山修司(1935~1983)やその同時代の劇作家、また女性劇作家や舞台における女性表象に関心を持っています。
教育・研究活動の紹介
将来教育現場に立つ学生たちに、文学の面白さ、奥深さをわかりやすく伝えることを心掛けています。文章の細部にまで目を配り、文学作品のメッセージをしっかりと読解・解釈する力を養うだけでなく、調べる力、自分の考察をプレゼンテーションする力など、将来教員になった際に必要とされる能力を伸ばせるよう指導しています。また高校国語教科書指導書の執筆や高専での教員経験を活かし、国語の授業設計(音読・板書・問いかけ)の方法を、授業を通して伝えていきたいと考えています。
今後の展望
これまでの研究をまとめた単著の刊行を目指すとともに、80年代に起こったフェミニズム演劇について研究を進めていく予定です。演劇は<水もの>と言われているように、常に偶然にさらされ1つとして同じ舞台はなく、また活字や映像に残ったとしても現場性は失われています。現在上演されている舞台をしっかりと目に焼き付け、時代の立ち会い人となれるよう劇場に足しげく通うことが目標です。
社会貢献等
郷土文学に関心を持っています。今後栃木ゆかりの作家の研究を進めていく中で、その研究成果を一般に広く公開できればと考えています。