研究概要
研究は、肌の色・表情などが顔の印象に与える影響を中心に展開してきました。なかでも、肌の赤みや黄みの変化が「健康さ」「明るさ」「好ましさ」などの印象にどのように作用するかについて、日本人、中国人、タイ人、白人の参加者を対象に比較分析を行っていました。文化や環境の多様性を踏まえた新たな価値と、円滑なコミュニケーションを促進し、人々がより深く理解し合う社会の実現を目指しています。
現在の研究室(人間情報科学研究室)では、対象を見る/聴く/触ることによる認知と感性の解明から、ヒトにわかりやすく魅力的に見せる/聴かせる/触らせる工学(質感工学)や、感性が伝わる工学(感性工学)に挑戦しています。これは、視覚や聴覚等の多感覚知覚や感性定量化に基づく「22世紀に重要な、モノ・環境のヒト(各個人)への適応技術」です。
教育・研究活動の紹介
教育活動では、プログラミング演習や基盤教養科目の担当を通じて、学生の論理的思考力や表現力の育成に取り組んでいます。また、学部・修士の学生に対しては、研究計画の相談から学会発表・論文執筆に至るまで一貫して支援し、成長を後押ししています。
研究活動においては、国内外の学会発表に加え、色彩科学や感性工学分野の論文を継続的に発表しており、学術的な成果の蓄積に努めています。
今後の展望
ディスプレイ越しの対話やアバターを用いた非対面コミュニケーションにおいて、第一印象の形成やズレのしくみを明らかにする研究を進める予定です。顔色や表情、声のトーンなどの視覚・聴覚情報を統合的に評価し、誰にとっても自然な印象伝達を支援する技術の開発を目指します。
社会貢献等
学会活動や学術誌の査読、各種委員の担当などを通じて、研究分野の発展と学術コミュニティへの貢献に取り組んでいます