研究概要
森林被害による樹木の材質劣化に関する研究を行っています。現在は、船生演習林をフィールドとしてクマ剥ぎ被害の状況(写真1)、被害の形態、被害の経過年数に伴う材質劣化の状況を調査しています。森林被害は、林業経営にとって大きな経済的損失となり、森林の有する多面的機能の低下にも繋がります。被害を受けた樹木の材質劣化の状況を把握することで、適正な森林造成に向けた維持管理や被害木の有効利用に関する情報を提供することが可能になります。
更に、演習林のフィールドを活用した森林・林業に密着した様々な研究を検討してます。
教育・研究活動の紹介
農学部附属演習林として塩谷町船生と奥日光にタイプが異なる二つの森林を有しており、その森林を利用した森林に関する実践的な調査や先進的かつ応用的な試験研究を実施することが可能です。特に、塩谷町船生にある船生演習林では、300ha以上の人工林を所有しているため、林業経営や森林管理の課題解決に直結する共同研究や製品開発を迅速に実施することができます。
今後の展望
現在、船生演習林内のクマ剥ぎ被害の実態を調査しており、今後はモニタリング試験地や被害防除試験地等の設定し、クマ剥ぎ被害の経年変化の解析及び有効な防除法の開発を進めます。また、人工林に甚大な被害を及ぼす病虫害等についても試験研究を進め、その発生機構を解明し、防除対策や被害材の利活用を検討します。