研究シーズ集

データサイエンス経営学部

教授 白山 真一しらやま しんいち

データサイエンス経営学科
白山 真一
キーワード

中小企業・中堅企業経営管理,ベンチャー企業投資,スタートアップ政策,公会計,非営利組織会計,会計概念フレームワーク,ステークホルダー,公共料金,世代間負担の公平性

分野

会計学、経営学

研究テーマ

・民間営利企業の管理会計及び企業経営理論
・政府及び地方公共団体等の公会計の理論及び会計実務
・公益法人、医療法人、社会福祉法人等の非営利組織会計の理論及び会計実務

所属学会等

国際公会計学会(理事)、 日本地方自治研究学会、 日本会計研究学会、 日本経済会計学会、 証券経済学会、 日本評価学会、 日本ベンチャー学会

特記事項

公認会計士(CPA)・中小企業診断士(SMEC)・日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)の資格保有者でもあり、監査法人で長年に亘り会計監査及びコンサルティング業務を実施してきました。実務的観点と理論的観点を融合的に捉えた研究をしております。現在、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(株式会社産業革新投資機構傘下のベンチャーキャピタル)監査役、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED、政府のファンディングエージェンシー)監事、一般社団法人日本STO協会監事などを兼務しています。

MAIL

sshirayama※a.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-649-5319

研究概要

政府及び地方公共団体等の公会計に係る会計理論的な観点からの研究を基礎として、過去から現在に至るまで実施している非営利機関の運営改善に係るコンサルティング業務の経験をもとに、実務的な観点を踏まえた研究をしています。

具体的には、公会計の認識、測定、ディスクロージャー、財務諸表の構成要素(特に資本概念)など、会計学の基礎的なフレームワークに係る概念レベルの理論研究について、文献研究を主体として実施しています。

このような概念レベルの理論研究を前提として、公会計情報を活用した政府及び地方公共団体、それらの出資団体に係る財政運営の見直し、経営管理の改善、社会的公共インフラ資産の管理手法の改善、公共料金(上下水道料金、公共交通料金等)のあり方検討などの経営改革の実務的手法の研究をしています。

昨今、民間企業においては、マルティプルキャピタルモデル(製造資本、財務資本、人的資本、知的資本、社会関係資本、自然資本)の観点からの付加価値の創造が求められており、それらの成果が「統合報告」としてディスクロージャーされています。現在、私が研究を進めているのは、これらのマルティプルキャピタルモデルの考え方を非営利機関に適用することにより、企業価値評価手法を応用した非営利機関(国公立大学、地方独立行政法人、学校法人、医療法人等)の定量的な企業価値測定の可能性を検討しております。

教育・研究活動の紹介

一般的にはわかりにくい財務会計や管理会計の考え方について、これまでの会計監査及びコンサルティング業務での実務上で遭遇した具体的実例に当てはめて解説することにより、イメージしやすいような授業を実施するように心掛けています。

以下は2024年2月に出版した大学及び大学院での講義用の教科書です。この教科書は理論的な内容と実務的な内容を融合した他にあまり例のない内容となっており、国・地方公共団体等の公会計及び公益法人・医療法人・学校法人等の非営利組織会計の全般にわたって解説しています。これらの領域に関わっている地方公共団体職員の方にも有用な内容となっています。

また、上述した非営利機関の経営改革手法に係る実務研究については、現在も就任している非営利機関の各種委員としての活動を通じて、その成果をアウトプットするともに新たな課題を認識をするという一種のフィールドワーク活動により、研究成果の有効性を実証するという取組みをしています。そのため、可能な限り実際の現場に関わりをもちながら研究をしていくスタンスをとっており、今後も継続的に「現場」に関わっていきたいと考えています。

今後の展望

今後も理論的知見と実務的知見を融合した研究をしていきたいと考えております。
特に我が国のスタートアップ政策を背景として、地域におけるベンチャー企業の育成支援、スタートアップ企業に対するファンディングのあり方などについて、研究を深めていきたいと考えております。スタートアップ企業の育成は産官学の共通する課題であり、私の公的ベンチャーキャピタルでの役員としての実務経験(グロース段階、アフターマーケットにおける資金提供のあり方等に係る経験)及び公的なファンディングエージェンシーでの役員としての実務経験(創薬ベンチャー等に対する資金提供のあり方等に係る経験)を活用し、スタートアップ企業の育成・成長を一貫する資金提供面でのベンチャーエコシステムなどの総合的な研究をしていきたいと考えています。
これと並列的になりますが、私の中小企業診断士としての専門家のネットワークを活用し、研究成果を踏まえた地域における中小企業・中堅企業の経営力向上の支援もしていきたいと考えています。

社会貢献等

政府及び地方公共団体等の各種委員に就任経験があり、公益活動に積極的に関与しています。

【文部科学省】 国立大学法人等会計基準検討会議 オブザーバー、研究開発局技術審査会 技術審査専門員、文化庁契約審査会 審査委員、 「国立研究開発法人の理事長によるマネジメントに関する調査」検討会議 委員 等

【内閣府】 消費者委員会 公共料金等専門調査会委員 等

【総務省】 電気通信紛争処理委員会 特別委員、地方独立行政法人会計基準等研究会 委員、 情報流通行政局 郵便におけるユニバーサルサービス確保のあり方等に関する研究会 構成員 等

【国土交通省】 政策評価会 委員、航空局 空港機能施設事業に係る経営状況の透明化・地代の適正化に関する検討委員会 委員 等

【経済産業省】独立行政法人 経済産業研究所 契約監視委員会委員長 等

【外務省】独立行政法人評価アドバイザー等

【その他】日本放送協会 インターネット活用業務審査・評価委員会 座長

【地方公共団体】地方自治法第252条の37に基づく包括外部監査(東京都、新潟県、秋田県、横須賀市、町田市)、川崎市教育委員会 川崎市立日本民家園 運営協議会委員、川崎市教育委員会 川崎市立岡本太郎美術館 運営協議会委員、越谷市下水道事業運営審議会 委員 等