研究シーズ集

工学部

准教授 依田 秀彦よだ ひでひこ

基盤工学科 情報電子オプティクスコース 依田研究室
依田 秀彦
キーワード

光デバイス,光学薄膜,光ファイバ,光導波路,赤外計測

分野

情報通信,光エレクトロニクスデバイス

研究テーマ

・光ファイバ通信用デバイスの原理/設計/解析/作製/評価に関する研究(特に作製)
・赤外計測

所属学会等

電子情報通信学会,応用物理学会,電気学会,OSA

特記事項

赤外分光エリプソメータによる光学材料のn(λ),κ(λ)測定の経験豊富

URL

MAIL

yoda※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

研究概要

当研究室では,光ファイバ/光導波路/光学薄膜を活用した光エレクトロニクスデバイスの研究および関連する計測を行っています.真空成膜(スパッタ,CVD,EB蒸着),フォトリソ,エッチング(dry,wet),切断・研磨,熱処理のプロセスを組み合わせて光デバイスを作製し,特性の評価を行います.
【チューナブル波長フィルタ】
a-Si:H膜の屈折率温度係数は他の物質より一桁大きく,またa-SiOx:H膜はその屈折率を広範囲(1.45~3.5)に制御可能です.これらの特長を活かし、光ファイバ通信用波長帯(1.5~1.6μm)で温度制御により透過波長を可変できる狭帯域多層膜BPF(半値全幅~1nm)を作製します.光ファイバへの実装化,透明ヒータ膜と低消費電力化,低挿入損失化 を行い,特性向上を進めています.
【スポットサイズ変換デバイス】
光ファイバ先端に非球面平凸型高屈折率微小レンズ(直径10~20μm)を作り込んだレンズドファイバ(ビーム直径10μm⇔3.5μm)の作製,アレイ化および低コスト量産化プロセスの開発を進めています.ウェットプロセスと成膜装置を利用します.
シリコンhigh-Δ光導波路のファイバ入出力端に,少ない作製プロセスでスポットサイズ変換器(ビーム直径0.4μm⇔3.5μm)を形成するための構造設計,解析,試作を進めています.学外共用可能なICPドライエッチング装置と成膜装置を利用します.

教育・研究活動の紹介

国内で希少な測定装置である「赤外分光エリプソメータ」を用いて,波長範囲1.7~40μmにおける光学材料の屈折率と消衰係数(nk値)の波長分散を委託測定できます.成膜条件の違いによりnk値は違うため,文献値はあくまで参考であり,正確な数値データは実測して得る必要があります.得られたnk値を用いれば,有効性の高い多層膜設計を行うことができます.装置責任者として多くの実績があります:無機(Al2O3,CaF2,CeYO, KRS5, MgF2,SiNx,SiOx,SiO2,TiO2,YF3,ZnS,ZnSe,ZrO2),ガラス(BK7,Glass,Silica,カルコゲナイドガラス),半導体(DLC,Ge,ITO,Si,SiC,SiGe,化合物半導体),金属(Ag,Al,Au,Cr,Mo,NiCr,Pt,SUS,Ti,TiN,W),有機(BM,EVA,PC, PE,PMMA,PP,PS,PVA,PVB).また入射角26~89°step 1°で透過/反射スペクトル測定可.

今後の展望

近赤外波長域での光デバイス開発を,中遠赤外波長域(2~30~100μm)に拡張していきたいと考えています.

社会貢献等

特許4691637 コリメータレンズモジュールの製造方法, そのコリメータレンズモジュール及びその製造装置
特開2006-276169 コアレス光ファイバの先端に高屈折率層を形成したレンズ付き光ファイバおよび光結合モジュール