研究シーズ集

地域デザイン科学部

准教授 中野 達也なかの たつや

建築都市デザイン学科・建築構造研究室
中野 達也
キーワード

構造実験の立案・計画・実施・性能評価,
数値解析(有限要素解析,骨組解析)の立案・計画・
実施・性能評価,新たな設計法や施工法の構築

分野

建築構造,鋼構造,耐震工学

研究テーマ

・鋼構造建築物における接合部の力学性能評価
・鋼構造建築物に関する接合部設計法の合理化
・鋼構造建築物のための新しい接合構法の開発

所属学会等

日本建築学会,日本鋼構造協会,溶接学会

特記事項

実験設備:2軸静的載荷自動制御システム,2000kN万能試験機

URL

MAIL

nakanot※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-689-6180

研究概要

鋼構造による建築物は、木造や鉄筋コンクリート造によるものに比べて超高層や大空間が可能です。柱や梁などの部材を溶接やボルトで接合して組み立てるため、多くの種類の接合部が存在します。地震によってこれらの接合部が壊れることは建物全体が倒壊する要因となってしまいます。
そこで、接合部が実際にどのように壊れるのか、構造実験や数値解析によってそのメカニズムを解明した上で、合理的な接合部設計法の構築や、より優れた性能を有する新しい接合部の開発などを行っています。

数値解析結果の一例

教育・研究活動の紹介

実現象を把握するためには、精緻な構造実験が必要不可欠です。当研究室は、実大スケールの試験体の構造実験を行うための各種載荷・計測装置を有しており、実験経験も豊富です。
また、実験では採取することが困難なデータを得るためには、コンピューターによる数値解析が有効です。当研究室は、有限要素解析FEAや骨組解析を実施することが可能です。有限要素解析では、実験で計測することが困難な物体の内部などの様子を知ることができ、骨組解析では、実験すること自体が困難な建物全体の挙動を知ることができます。

構造実験の様子

今後の展望

1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災は、まさに言葉を失う出来事でした。同規模の大地震として、東京湾北部地震や南海トラフ地震などが近い将来に起こると言われています。
大地震による被害を想定した実験と数値解析を行うことで、種々の接合部の合理的な設計法に結びつける研究や新しい接合構法の開発を続けていき、より安全・安心な建築物に役立てることをめざしています。

社会貢献等

当研究室は、共同研究に積極的に取り組んでいます。産学連携としては、梁端部の嵌合接合構法、鉄骨梁の開口補強構法、エネルギー吸収性能に優れた露出柱脚構法、鋼管杭の機械式継手工法などの開発を行い、実用化に成功しています。官学連携としては、国土交通省の建築基準整備事業の公募で事業主体として採択され、建築研究所や他大学と共同で調査・研究活動を行った実績もあります。
建築というとデザイン的な側面ばかりが目立ちますが、人の命や財産を守るという極めて重大な使命があります。それを担っているのが建築構造の分野で、研究だけでなく実際の設計でも数学や物理(力学)を駆使します。高校生向けの出前授業や社会人向けの出張講演にも積極的に参加し、受験勉強や生涯学習のモチベーションアップに貢献したいと思っています。上記の取り組みや、特徴と強み等を活かせる場面があれば、お気軽にご連絡ください!