研究概要
樹木には、急速に成長するものもあれば、長い年月をかけてゆっくり育つものもあり、その成長速度には大きな違いがあります。同様に、木材の性質も樹種によって多様で、例えば全乾密度(水分を含まない状態の密度)は、 0.2 g/cm3程度の軽いものから、1.0 g/cm3近い重いものまで幅広く存在します。
このような樹木の成長や木材の性質における多様性はどのように生まれ、両者の間にはどのような関係があるのでしょうか。この問いに答えるために、国内および東南アジアに生育する樹種を対象に、成長特性と木材材質の調査を進めています。これらの調査から得られる情報は、樹木がどのように成長し、どのような質の木材を形成するのかを理解するだけでなく、林木育種や森林資源の量と質を推定・制御するための基盤データとしても活用できると考えています。
教育・研究活動の紹介
研究活動では、さまざまな地域・樹種を対象に、樹木の成長の計測、木材サンプリング、材質評価を行っています。材質評価では、細胞の大きさや構造といったミクロなレベルから、木材の強度などのマクロなレベルまで幅広く調べています。さらに、蓄積したデータをもとにして、数理モデルを用いた樹木の成長や材質の解析・予測・シミュレーションを行うとともに、木材の品質向上を目指した材質育種学的観点からの研究も進めています。こうした取り組みを通して、学生のみなさんには、森林資源を「量」と「質」の両面から捉え、考える力を身につけてもらえればと考えています。
今後の展望
木材の量と質を正確に把握し、これらを現場で適切にコントロールすることは、林業の生産性や効率を高めるうえで欠かせません。今後も、さまざまな地域や樹種を対象に研究を進め、樹木の成長と材質への理解を深めるとともに、得られた知見を国内外の森林管理や木材利用へ還元していきたいと考えています。
社会貢献等
企業との共同研究を行っています。どうぞお気軽にお声かけ下さい。