研究概要
植物由来原料の機能性を最大化するための加工プロセス設計を主題とし, 蒸し・粉砕・抽出・押出成形などの操作条件が, 機能性成分の安定性・溶出性・消化挙動に及ぼす影響を詳細に検討している。これらの加工操作が, 食品の品質・食感, ポリフェノール類をはじめとする生理活性成分の含量変化や抗酸化能にどのように反映されるかを, 物理・分析化学的手法を組み合わせて解明している。
教育・研究活動の紹介
食品科学を軸とした教育・研究活動を展開し、原料特性の理解から食品加工プロセス設計、機能性評価まで一貫して考える力の育成を重視している。授業では、食品の状態変化や素材の特性を踏まえつつ、加工によって付与される新たな価値や、成分の振る舞いを読み解く視点を身につけられるよう、実例やデータを交えて解説している。
研究室では、学生が自ら実験計画を立て, 原料処理、測定・分析、機能性評価, 結果の考察まで主体的に取り組むことを大切にしている。加工操作の工夫が食品の品質や機能性にどのようにつながるかを, 自分の手で確かめながら学ぶプロセスを重視しており, 分析手法の習得だけでなく, 得られたデータから現象を説明し, 改善案を導く力の育成を目指している。
また、国内外の研究者との交流や英語による成果発信も積極的に取り入れ, 学生が多様な視点や研究文化に触れながら成長できる環境づくりにも取り組んでいる。これらを通じて, 食品科学分野で実践的に活躍できる柔軟な発想と分析力を持つ人材の育成を目指している。
今後の展望
今後は加工前後の原料を対象に, 食感・溶出特性・消化吸収性などを総合的に評価する「プロセス–機能統合型」研究を進め, 加工操作が高付加価値化や健康機能の強化にどのように寄与するのかを多角的に理解することを目指している。
社会貢献等
地域産農産物や未利用資源に関する研究成果を活かし, 栃木県産業技術センターとの共同研究を通じて地域産業の活性化に貢献している。また, 国内外の研究者との共同研究や学会での発信を通じて, 食品科学分野の学術的発展にも寄与している。