研究概要
セルロースは、植物の細胞壁を構成する多糖類の一つであり、木材においては乾燥質量のおよそ50%を占める主要成分です。地球上に存在する有機化合物のうち最も多量に存在するのは、セルロースであると考えられています。私たちは、セルロースをはじめとする各種多糖類およびそれらを化学的に改質した多糖類を分解できる。
微生物の探索や、微生物が産生する分解酵素を有用物質の製造に生かすことを目指しています。
また、多糖類だけでなく、その重要な供給源の一つである木材や木質材料も研究対象としています。特に、木材に適切な防腐処理を施すことによって木材の供用期間を延ばすことは、樹木によって有機物として固定化された二酸化炭素をより長く保持すること、そしてそれが森林資源を大切に使うことにつながると考え、環境に調和した木材防腐技術の検討にも注力しています。
教育・研究活動の紹介
私たちの研究室は、JIS K 1571“木材保存剤-性能基準及びその試験方法”に基づく木材保存剤の防腐性能試験を実施可能であり、 (財) 日本住宅・木材技術センターが行なう「木材及び木質材料等の保存剤、保存処理材料並びに木材保存に関連する薬剤または材料の保存性能及び安全性の審査」における指定試験機関に登録されています.
今後の展望
私たちは、セルロースをはじめとする各種多糖類や木質系バイオマスをできる限り有効に、多段的に活用していくことが重要であると考え、これらを「より良く知り、より良く利用する」ことを念頭に置いた研究を行なっています。バイオマスを有効に活用した持続可能な社会システムの実現に必要な技術の構築に貢献できることを目指します。
社会貢献等
特許出願状況
・特許5219068(グルクロン酸製造法)、特許4654362(エタノール製造法)