研究シーズ集

農学部

教授 園田 昌司そのだ しょうじ

生物資源科学科・応用昆虫学研究室
園田 昌司
キーワード

応用昆虫,植物保護,薬剤抵抗性,天敵利用

分野

植物保護学

研究テーマ

・重要害虫の薬剤抵抗性管理に関する研究
・天敵を用いた害虫管理技術の開発
・昆虫の生理・生態に関する研究

所属学会等

日本応用動物昆虫学会、日本農薬学会、日本昆虫学会、Entomological Society of America

URL

MAIL

sonodas※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-649-5451

研究概要

現在の害虫管理は総合的害虫管理の理念に基づいて行われています。総合的害虫管理とは、あらゆる防除手段を使用し、害虫密度を経済的に許容できる水準以下に抑え続けるための害虫管理システムのことを言います。化学的防除と生物的防除は総合的害虫管理の基幹的な防除手段です。ところが、前者では殺虫剤が効かなくなる、いわゆる殺虫剤抵抗性が農業生産の現場で大きな問題となっています。また後者では、土着天敵や天敵製剤の有効利用が重要な課題となっています。これらの問題を解決するために、殺虫剤抵抗性管理技術の開発、天敵の機能強化技術の開発の課題に取り組んでいます。その他、いろいろな昆虫の生理・生態に関する研究も行っています。

図1 ハダニを捕食するカブリダニ

教育・研究活動の紹介

コナガやアザミウマ類といった重要害虫の殺虫剤抵抗性に関わる分子メカニズムの研究を実施してきました。各種殺虫剤の抵抗性遺伝子について個体レベル、個体群レベルで解析することが可能です。最近は、アブラナ科作物の重要害虫であるコナガのシアントラニリプロール(ジアミド剤)抵抗性のメカニズムを明らかにしました。また、薬剤抵抗性の発達が著しいハダニ類に対して、天敵であるミヤコカブリダニ製剤を中心とする管理体系の確立を目指しています。最近は、ニホンナシ園に設置した製剤ミヤコカブリダニと現地に住み着いている土着個体を識別する手法を開発し、ハダニ類の管理に最適な製剤の設置時期を明らかにしました。

今後の展望

化学的防除と生物的防除は共存できないと考えられていた時期もありましたが、標的となる害虫のみに殺虫効果があり、天敵類には影響の少ない選択性殺虫剤の開発が進み、現在では両者を害虫管理に使用することが可能になりつつあります。総合的害虫管理を通じてSDGsの目標に取り組みたいと考えています。

社会貢献等

(環境省)国民参加による気候変動情報収集・分析事業
(農研機構)果樹・果菜類の受粉を助ける花粉媒介昆虫の調査マニュアル
(農研機構)薬剤抵抗性農業害虫管理のためのガイドライン案