研究概要
今後、有限な資源である肥料の施用量を減らし、かつ、豪雨などの異常気象に適応した、作物の栽培技術改良および品種育成のためには、土壌とのインターフェースである作物の根系についての理解が必須です。そこで、土壌中の根の機能や発育に着目して、圃場から実験室レベルで研究を進めています。
施肥量削減に関して、日本が100%海外に依存し、枯渇が危惧されているリンに着目して研究しています。供試作物には、マメ科作物のうち世界で最も広く栽培されるダイズおよび世界三大穀物の一つであるコムギを用いています。豪雨などの異常気象に適応した作物の栽培技術改良および品種育成については、中山間地の農業を支えているソバの湿害に着目して研究を進めています。
教育・研究活動の紹介
根箱での植物の栽培から、根箱に充填した土壌中の根系の配置や構造を破壊せずに採取、かつ、その根系を標本として保存するための非破壊根系採取のための作物栽培プラットホームを保有しています。
今後の展望
作物の地下の世界を「見える化」していくことで、植物および土壌の診断技術の開発に貢献したいと考えています。
社会貢献等
「植物の根系採取装置及び植物の根系採取方法」に関わる特許を保有しています。畑作物の根や菌根に関する相談を受け付けています。宇都宮大学グローバルサイエンスキャンパス(iP-U)で、高校生を受け入れて研究指導を行っています。また、小中学生向けのオンライン実習の経験があります。