研究シーズ集

バイオサイエンス教育研究センター

准教授 宮川 一志みやかわ ひとし

環境生理学研究室
宮川 一志
キーワード

ミジンコ,昆虫,節足動物,分子生物学,進化生物学,環境応答,表現型可塑性,誘導防御,性決定,ホルモン,毒性試験,環境指標動物,内分泌かく乱物質(環境ホルモン) ,バイオモニタリング

分野

ライフサイエンス、環境

研究テーマ

・ミジンコの環境応答を制御する分子基盤の研究
・ミジンコの環境応答を利用した環境試験法の開発
・幼若ホルモン経路の進化がもたらす節足動物の多様化過程の研究

所属学会等

日本生態学会、日本進化学会、日本動物学会、環境ホルモン学会

特記事項

・小中高における理科教育にミジンコを使用したい方はお気軽にご相談ください。

URL

MAIL

h-miya※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-649-5189

研究概要

生物は変動する周囲の環境に応じて形や行動を様々に変化させることで繁栄を遂げています。例えば、ミジンコは天敵から放出される匂い物質を感受すると防御形態をつくります(下図)。防御形態を持つミジンコは捕食者から食べられにくくなります。また、ミジンコは通常メスのみでクローン繁殖をしますが、生息環境が悪化するとオスを産生し、有性生殖をおこないます。有性生殖では多様な遺伝子の組み合わせが生じるため、クローンで生まれた均質な子供よりも生き残る可能性が高まります。どのようにしてこのような複雑な環境応答を制御しているのか、その分子機構の解明に取り組んでいます。
またこのような生物の応答は環境中に存在する人工化学物質(環境ホルモン)によって容易にかく乱されてしまうため、生物の環境応答を環境の評価に利用する手法の開発にも取り組んでいます。

教育・研究活動の紹介

ミジンコは全ゲノム配列が解読済みであり、クローン繁殖によって短期間に爆発的に増殖するため均質な個体を大量に用意することができるうえ、透明で体内が容易に観察可能であり、飼育が安価で容易であるという実験動物としての有用性を多数持つ生物になります。そのため、基礎生物学の先端研究のみならず、環境調査の指標動物として或るいは理科教育の材料としてなど様々な現場で活躍しています。
また私達の研究室は世界でも非常に限られた、ミジンコ卵への顕微注射技術を持つ研究室になります。顕微注射はRNA干渉法による遺伝子機能解析や遺伝子組換え動物の作成、あるいは近年注目されていますゲノム編集技術の基盤となる技術であり、これら全ての分子生物学的手法がミジンコに適用可能です。

今後の展望

ミジンコの環境応答の仕組みを理解することで、現在環境中に溢れている様々な化学物質がどの様なメカニズムで生物に悪影響を与えているかを理解することができます。また、私達の持つ遺伝子組換え技術を応用することで、より化学物質に敏感なミジンコや、化学物質が存在すると光って教えてくれるミジンコの開発が将来的に可能であると考えています。