研究シーズ集

工学部

准教授 諸星 知広もろほし ともひろ

基盤工学科・応用化学コース・生物工学研究室
諸星 知広
キーワード

細菌の培養,細菌の単離,細菌叢解析,細菌の遺伝子解析,細菌の遺伝子組み換え

分野

ライフサイエンス、環境

研究テーマ

・細菌間コミュニケーション機構の解析と応用
・植物病原性細菌・植物保護細菌の機能解析と応用
・生分解性プラスチック分解細菌の生態解明

所属学会等

日本生物工学会,日本農芸化学会,日本微生物生態学会,日本植物病理学会,環境バイオテクノロジー学会

特記事項

細菌の遺伝子組み換え、遺伝子解析に必要な機器や技術を持ち合わせています。

URL

MAIL

morohosi※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-689-6176

研究概要

最も単純な生物である細菌も、人間と同じように仲間とコミュニケーションを取っています。その一つにQuorum SensingQS)と呼ばれる機構があります。QSでは、細菌はオートインデューサーと呼ばれる化学物質の「言葉」で周囲の細胞密度を認識し、集団になったことを感知すると、特定の機能を活性化させます(図1)。これらの機能の中には、病原性発現やバイオフィルムの形成など、人間にとって好ましくないものが多々存在します。本研究室では、QSの研究に基づいた、細菌機能の制御技術の開発を行っています。

図1. 細菌のコミュニケーション機構(QS)

教育・研究活動の紹介

微生物、特に細菌は、あまり表舞台には出てこないものの、食品の発酵、抗生物質などの薬剤の生産、環境浄化や生分解性プラスチックの合成・分解など、実は私たちの暮らしの様々な部分で役に立っている生物です。その一方で、植物や動物の病原菌も数多く存在し、これらの細菌は抑え込む技術が必要とされています。本研究室では、細菌の培養や分離、菌種の同定、遺伝子組み換えなど、細菌を用いた基礎から応用までの研究が可能な環境が整っています。最近では、生分解性プラスチック分解に関わる微生物の生態解明(図2)や、細菌を用いたバイオプロセスによる化成品の生産技術など、細菌を利活用した新しい分野にも積極的にチャレンジしています。

図2. 生分解性プラスチック分解細菌が形成したバイオフィルム

今後の展望

研究室のメインテーマでもある細菌間コミュニケーションに関する研究成果を、幅広い分野に応用できるようにすることが今後の課題です。例えば、植物病原菌のコミュニケーションを遮断することによる、新しい病原性抑制技術や、植物を病気から守る能力を持った植物保護細菌を微生物製剤として広く使用できるような展開を目指しています。

社会貢献等

・細菌やバイオテクノロジーをわかりやすく紹介する出張講義(小学生から一般の方まで)を行います。
・細菌に関する各種技術相談を受け入れています。お気軽にお問い合わせください。